2010年12月18日土曜日

東京芸術劇場にて



芝居を観てきた。

新劇のお芝居には、良いところもあるが多分に悪いところもある、というのは実際に身を置いてみて痛感したことで、だから観ていてもほぼ必ず「あーあこれだ」と思ってしまう瞬間がある。要するにひねた客なのである。

しかし。
今回は全くそれがなかった。

なんというかとても美しい精神性でもって作られた作品だったように思う。

門外漢が偉そうに言えた義理ではないが、いい作品を作るにあたって演出家に求められるものは、手腕でもなくカリスマ性でもなく、きっと精神性の高さだ。
身を切るような痛みを経て、それは必ず役者にも伝染していくのだ。
そして客席にも。

そういうことが決してきれいごとではない、と思えた池袋の夜であった。

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